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歯車の品質とは

なぜ高精度が必要か

 歯車伝達機構は、複数の歯がその3次元形状のかみ合いにより、トルクを伝達する非常にデリケートなメカニズムです。従って、かみ合う歯車の誤差は、伝達特性に様々な面で悪影響を与えます。例えば、低級の歯車で、見かけ上は要求トルクを伝達できたとしても、回転時のガタ・騒音・ごり感が発生し、最終的に製品の特性劣化や寿命低下をもたらし、トラブルのもととなります。
 すなわち、歯車伝達機構を構成する個々の部品の誤差を無くし精度を上げることにより、静寂で、高精度、高伝達効率の信頼性の高い減速機を作ることができます。

JGMA規格(日本歯車工業会規格)とは

 JGMA規格(日本歯車工業会規格)とは、社団法人日本歯車工業会(通称JGMA)が、わが国の歯車工業を代表する唯一の団体として、歯車及び歯車装置などの技術水準の向上を目的に管理運営している規格です。
 この中で、JGMA 116-02規格での精度測定方法は、両歯面かみあい試験機を使用し両歯面全かみあい誤差と両歯面1ピッチかみあい誤差を測定し評価します。本方法は歯車の精度評価としては、最も多用されるものです。
(現状、片歯面誤差は一般的に使用されていないため省略します)

※注2:JGMA規格については、こちらの規格表をご参照ください。



かみあい試験機による精度評価

両歯面全かみあい誤差

 両歯面全かみあい誤差は、親歯車と測定歯車をかみあわせて1回転させた時の最大最小の差で表します。すなわち、1回転の「振れ」に相当し、歯車の偏心及び真円度に影響されます。


両歯面1ピッチかみあい誤差

 両歯面1ピッチかみあい誤差は、親歯車と測定歯車をかみあわせて1回転させた時の各ピッチ間における最大の誤差で表します。すなわち、単一ピッチにおける最大振れ値であり、歯形誤差、圧力誤差、ピッチ誤差、歯厚誤差、バリ、キズ等に影響されます。



歯形(形状)測定器による精度評価

歯形精度

 歯形の正確さを示し、歯先から歯元における、歯形の最大最小の差で表します。


歯すじ精度

 歯面歯すじの正確さを示し、歯厚における、歯すじの最大最小の差で表します。


ピッチ精度

 歯の割り出し精度を示し、歯車の隣接ピッチ誤差と累積ピッチ誤差で表します。


歯溝の振れ精度

 歯溝の位置精度(振れ精度)を示し、歯溝に押し込んだボールの半径方向の位置のバラツキで表します。